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トンネルを抜けると雨が降っていた  11月11日記 

むかご、えのき、にんじん、ほうれん草に下仁田葱。

南部鶏と豆腐の形をした部厚い厚揚げ。

ひっつみセットとさんま蒲焼きの真空パック。

りんごもいったんはカゴに入れたけれど、あまりに重くて諦めた。

夕べのうちに「賢治の大地館」で食料は揃えた。

お土産の日本酒二本とわたしの日本酒一本をリュックに詰める。

あ、それからきのうの朝東京駅で買った崎陽軒の特製シュウマイ、

これを忘れるわけにはいけない。

はたと山の家にはお米がないことに気がついてコンビニに寄ってお

にぎりを五個買う(そのうち一つは山の家に向かうバスを待ってい

る時間に食べた)。準備完了。ホテルを出る。

やってきたバスは、あのなんともいえないガソリンの嫌な匂いが充

満する、古いバスだった。一番うしろの席に陣取って荷物を置く。

この路線はいつ打ち切られるかわからないほど赤字をかかえている

らしく、街中を通り過ぎればほとんどの人は降りてしまう。

今日も、気がついた時には乗客はわたし一人だった。

盛岡から一時間十五分。今日はずいぶん遠く感じた。

トンネルを抜けるととアスファルトが濡れている。雨だ。

あんなに天気がよかったのに。

バスを降りて山の家に向かう途中で畑から出て来たほおかぶりをし

たおばあさんから「あんれえ、もすかして」声がかかる。

一輪車には今掘ったばかりの土が黒く光る大根が山に積まれている。

すこし長い立ち話。「言葉わかんないんだべえ」とおばあさんは笑

う「わかります」これはほんとう。

叔父の家に向かうのが気重なのは、また動物が床で冷たくなってい

たらと、不安なのだ。

この間はつがいの鳥が死んでいた。一羽はベランダの窓の前で白い

骨になって。もう一羽はうす暗いトイレの床で黒いまま。

玄関の引戸を開く。おそるおそるうちがわの引戸を開ける。

どうやら、大丈夫。

大丈夫となれば、あらゆる扉と窓を開けて空気を入れ替える。

一夏来てなかったのに、空気はきれい。それどころか何か澄んでい

るようにも感じる。

ところどころに蜘蛛の巣が張られて、この家が彼らの拠点となって

いた他は、変化なし。

水道も凍ってなかった。ほっとする。

一局しか入らないラジオの国会中継を聞きながら、掃除。

ストーブに火を入れる。

今夜は新月。





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by rika_okubo7 | 2015-11-18 11:30 | Trackback | Comments(0)
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