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豊島/豊島美術館

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豊島の光が映しだす色はなんともうつくしくて、
それはもう直島から豊島に向かうフェリーの中から始まっていたのだ
けれど、缶一つ取っても見いってしまうほどだった。

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透明感があり澄んでいるけれど、どこかうっすらと霞がかかっているような、
”幸せ”という言葉がぴったりとするような、色たち。
急いていない色たち。

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そして、時間の流れもそれと同じようにゆっくりで、
けれどそれはただゆっくりというのでもなく、
何かたくさんのものが、ふくまれている、ゆっくりだ。

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豊島という名前そのものの、島だった。

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お人も優しくて、ちょっと困った様子で佇んでいると、
つばの広い麦わら帽をかぶったおじさんが、ふら〜と
自転車で近づいてきて、
「今はなあ、昼休みや。帰ってご飯食べてるころやろう」
とにこにこ顔で教えてくれて、またふら〜と自転車で円を
描くようにして、去ってゆく。

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ボルタンスキーの小屋がわからないときもそうだった。
船や網の手入れをしてりる人たちの中で海の方を向いて指示を送って
いる長老だと思われる人に場所を尋ねると、
「ボルタンスキーはなー、ここの道を真っすぐに進むやろ、そしたら
突き当たるからそこから左や。左に曲がったらすぐやわ」と
腹の内側からまっすぐに出て来るような大きな声で教えてくれた。
戻ってくるとき、どこからともなく「おねえさん、わかった?」
と大きな声が聞こえてくる方を見ると、薄暗い小屋の中でさっきの
長老が椅子の上に足をくの字(90度時計回り)の形に置いて、
煙草をすぱーと吸っていた。
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どこを見ても幸せで、道に迷っても幸せで、
何にでも頭を下げて、ありがとうと言いたくなった。

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豊島に行ったのは、豊島美術館を訪ねるためだった。

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あの場所の記憶が心のなかにあるだけで幸せだ。

一つの場が内でも外でもあり、全てだった。
一つの場ではあるけれど、季節に影響されていつも
ゆらいでいる空間でもあるだろう。
たくさんのものが生まれてまた去ってゆく空間でも
あるだろう。

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立つ場所によって、見えるものや感じられることがまったく異なる空間。
うまくいえないけれど。

また訪ねたいと思っている。
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by rika_okubo7 | 2012-09-18 09:55