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9月6日記 / 秋のはじまりに

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大掃除の最後は、靴磨き。
そして、三足の靴とさようならをした。
そのうち一足は、たくやさんのKISSAの古い靴だ。
もう何年も前から、整理してねと言われていたのに私が捨てられなかった。
よくふくらんだコッペパンみたいなデザートシューズは
私の大のお気に入りで、色も形も風合もなんとも具合よく、
足があと一センチ大きかったら履いて歩きたかった。
もう二足は私の靴。
一足は形のよいスタイリッシュな黒いデザートブーツで、もう一足はラメの
スニーカー。ラメといっても陰りのある光り具合で、ブラジルの夜の繁華街
みたいなあやしさがある。デザートブーツは何度も修理をして履いた。
革が割れてきたけれど、どうしても捨てられなかった大好きな靴だ。
三足とも綺麗にして、きちんと紐を通して、さようならをする。
裏庭があったら、火でおくりたいくらい。

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夕方、Tちゃんと打ち合わせで新丸ビルのテラスで待ち
合わせをした。30分遅れる連絡があって、その時間からさらに
20分待った。Tちゃんは早く待ち合わせしたがるくせに、いざ
その時になるとだいたい遅れる。またかという思いとお腹が痛い
のとで、”ねー、Tちゃん、もう20分すぎるよー、帰っちゃうよー”
とメールするとすぐに、まずいまずいと薄く笑ったTちゃんが
ベンチの横に滑るように座った。
”遅いよー”というと”すみませーん”と笑う。ひとしきり言い訳
らしきものをきいた後に、Tちゃんはバックからどら焼きを出して、
”半分食べてね”と二つに割った。
数日前、Tちゃんに迷惑をかけた人のお土産だ。
東京駅の屋根をみながらパサついた皮のどら焼きを二人で食べた。
”お土産って気持ちが出るけど、このどら焼きは選んで持ってきた
ものじゃないね”というと”いいから食べて”と笑う。
もぐもぐと飲み込むように食べて、
これは一種の厄落としなんだな、と思う。
そのあと、フォーラムのジャズフェスティバルの会場でビールを
飲んで、祭典がはじまったばかりのうすい味の音楽をきいた。
ワイン屋でいろんな話をした。いつもの通り何を話したのかあまり
憶えてない。けれど、喪失感の話になったとき、二人とも落涙した。
わたしは、Tちゃんの話をちゃんと聞けているんだろうかと、もっと
耳を深く傾けた。
別れる時、”今またメールみたけどさ、”ねー、Tちゃん、もう20分
過ぎるよー、帰っちゃうよー”って書いてあるね。そういうこと言ったの
初めてだよね”とTちゃんは心底嬉しそうな顔で笑った。
眼が醒めるような思いだった。

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昼ごはん

あっさり塩焼きそば
冷や奴

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晩ごはん
たくやさん
マリネ2種
カレー

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by rika_okubo7 | 2013-09-08 08:04