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9月10日記 / お山へ

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ベランダの植物たちに水をあげて部屋に戻ると、たくやさんから
”水やりよろしく。ペットボトルで6本以上ね”とメールがあって、
ちょっとショックだった。一本とちょっとしかあげてなかったから、
わたしは冷たいのかなあと思って。
特に柳はお水が好きだからペットボトルに一本以上ね、という通り
にやってみると、ごくごく吸い込んだ。

きのうの夜、ポストから受け取ってそのまま机の上に置いた郵便物を
見ると、嬉しい便りが二通。
一通はKちゃんから。Kちゃんの贈り物にはいつも新鮮な驚きがある。
Kちゃんの見方で生かされたうくしい絵柄のカードは、わたしたちの
心はいつも自由だということを思い出させてくれた。
もう一通は愛ちゃんからの味わい深い葡萄の絵のDM。
短い便りには、この季節の庭の生き生きとした様子や猫の”おめめ”
がいつのまにか愛ちゃんのうちの子になったこと、日々のよろこび
と煌めきとが記されていて、思わず胸があつくなり涙があふれた。
慈しむこと、愉しむこと、そして死んでゆくものを弔うことが、なにか、
人生の全てのように思ってしまったのだ。

どうしてもお山へ行きたくなって、急いで支度をする。
写真も撮りたい。さいきん写真を整理していたとき、昔お山で撮った
写真がよくって、原点に戻りたいとも思って。

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東京は晴れていたのに、木更津あたりでお天気があやしくなって、
館山に着いたときには小雨がぱらついていた。
タクシーに乗って「お山の上のカフェに行って下さい」というと、
はて、という気配があったのでお店の名前に言い換えると、はいはい
と二つ返事とともに「あそこ、やってるのかな」と首を傾げるので、
なかば可笑しいような悔しいような気持ちで「はい、やってます。
友だちですから」と必要以上に勢いよく答えてしまう。
感じのよい運転手さんで、着くまでの間原発のことや、オリンピックの
ことを話してきかせてくれた。古いタクシーの設えは料金メーターが
あるくらいで、その単純さ心地よかった。

雨のお山はやっぱりいい。
お店に入ってゆくと、「いらっしゃっ・・あらっ」とSさん。
犬のように横目を思い切り使って何が起こっているのかを察知している
Hさん。うれしいなあ、と思う。すべては水のなかで行われているような
スピードで進む。感情も、行動も。
お店は相変わらずたっぷりとした雰囲気で、ああ、きてよかった、
と安心した。
by rika_okubo7 | 2013-09-19 15:06