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11月29日記 / 大坊珈琲店

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術後の体が冷えるのを心配してKちゃんが、太陽エネルギーを持って

表参道まで来てくれた。忙しいのにありがとう。

Mちゃんからは、赤ちゃん用のボディタオルが届いて、思いがけないやさしさにじーんとする。

ほんとうに、ありがたいなあ。こうやって、友だちの気持ちをもらって治って

ゆくのだなあ。


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表参道の大坊が閉店する気配は以前からあった。

ビルのほとんどの店舗が引き払い、もしかしてと訊ねると、

大坊さんらしい物腰でゆっくりと首を横に振り”いいえ”と微笑んだ。

あれから何年か経ち、夏を過ぎる頃だったか12月22日で閉店と何かで知った。

そう聞いてある日、表参道の交差点に立ち大坊が入っているビルを改めて見上げると、

グレーの外壁の昔ながらの小さなビルが高い建物に囲まれてひっそり建っている。

そこにだけ古い空気が流れていて、よくここまで持ちこたえたなと思う。ビル建て替えのための閉店だった。


大坊珈琲店の魅力は丹念に淹れられた珈琲だけにあるのではない。

時が重ねられた木の壁に囲まれた空間、使いこまれた笊や焙煎器、金継ぎされた器。

それになんといっても、大坊さんご自身が素晴らしい。

珈琲を淹れる動きは淀むことなく流れ、大坊さんはドリップする湯になり、

珈琲豆になり、カップひとつ拭くにも、全身の感覚をつかっているのが伝わってくる。

焙煎したての珈琲豆の風味を確かめている時、目を閉じて耳でも味を聴いている

横顔も忘れられない。

物腰はやわらかなのに、凄みがあった。どこかに匕首を忍ばせているような、

ぎらりとするもの。


お店の一番奥の、店内が見渡せる席に座ることができた。

たくやさんから聞いてはいたけれど、短い時の間に、髪は真っ白になり、

体もちいさくなっていた。お店は大坊さんの全てだったのだなあ。

珈琲をゆっくり飲むうちに、入れ替わり立ち替わりする客の姿は霞み消え、

カウンターで珈琲を淹れる大坊さんしか見えなくなった。

ここで三十余年の時を過ごしてこられたのだな。


たくやさんは、私と同じかもしかすると店に通った数は少ないかもしれないのに、

言葉を交わさなくとも二人の間には感じるものがあるようで、男同士いいものだなあと羨ましかった。








昼ごはん
おでん
納豆
ごぼう
白いごはん

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夕ご飯
交通飯店でご飯
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by rika_okubo7 | 2013-12-26 17:08