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12月3日記 / イワテヤマナシ



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きのうの夜渡辺さんと話しているとき、山の家の車庫の脇に生えている高い樹が

イワテヤマナシだと知った。

台所の小さな窓から見えるその樹は、暖かい季節にはいかにも気持ち良さそうに

さやさや葉を揺らして、わたしの心にやわらかな風を送ってくれた。

きのう山の家に着いたとき、雪の上に姫林檎ほどの実がたくさん落ちていて、

実の成る樹だったのかと思いながら掃除や火を熾す事がまず先で、手にとる事さえしなかった。



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イワテヤマナシは鬼門に植える風習が東北にはあるようで、確か”事ナシ”に掛けて

いると聞いたような気もするが、あやしい。

樹齢からすると、叔父が家を建てるずっと前からそこに生きていたと思えるので、

偶然にも鬼門を護ってくれることになったのだなあ。

食器棚を整理していたら叔父が漬けたと思われる、十年程前の日付の

イワテヤマナシと桜桃の果樹酒が出て来た。桜桃の樹もあるのか・・。

それにしても、なんて嬉しいんだろう。実のなる樹が山の家にあるっていうこと。


朝早く、軽トラが入ってきて誰だろうなあと玄関に出ると、岩井さんだった。

「暖でひもじい思いをするのは気の毒だ」と薪を持ってきて下さったのだ。

ロシア風の帽子をかぶった牛の大将のような立派な体格の岩井さんと、

華奢な骨組みのたくやさんが二人雪の中でぷかーっとタバコをふかして、

愉快そうに立ち話をしている風景はなんともいえずいいものだった。



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冬は庭仕事もないので、足を伸ばした事のない湯田方面にドライブに出かける。

あてもなく車を走らせていると、北上に向かう路沿いに広がる湖が夕日を浴びて深い色に染まっていた。

どこまで行っても湖は終わりそうにもないので、くるりと引き返して、湯田駅前で十割蕎麦をすする。

寒空のなか、岩井さん似の牛の大将みたいなおじいさんがやっぱりロシア風の帽子をかぶって、

スーパーの前でソフトクリームをぺろりぺろり舐めていた。








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by rika_okubo7 | 2014-01-09 22:46