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夏の終りのちいさな旅   8月30日記

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埠頭までの道のりは太陽を遮るものがなく,

たまらず、麻布のストールを被った。

イスラームのブルカのように。

ブルーのうつくしい世界が一気に目の前に現れて、

それに紗がかっているものだから夢の中に立っているように儚げだ。

涼しいし、眩しくないし、布一枚で内側に気持が向くし、

とてもよいと思う。


柵で海と隔てられた埠頭に立つと、

こんなにつまんないとこだっけ、昔はなんにもないところ

だったんだけどなあ、とたくやさんは右や左を見やっている。

東京タワーや汐留が見えるベンチに座って、しばらくぼんやりする。

景色を見ながら、やっぱり自転車は二台買おうと提案する。

増上寺や皇居や虎ノ門あたりに散歩にゆくなら自転車がいい。

薄紫に海の色が変わる頃、宴の客を乗せた屋形船がすべるように

東京湾に入ってきた。

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埠頭からバスで築地に出る。

誰も乗っていなかったから、一番後ろの背の高い席の右と左の

窓際に分かれて座りそれぞれの景色を見る。ひさしぶりの小さな旅。

夕方の築地市場は意外にも人が出ていた。

木村屋がまだ開いていたから、デビルスドーナッツを手に取ると、

あれもこれも試食させてくれて、シベリアとジンジャー黒パンも持ち帰る。

カレーもおいしかったから今度はお昼に食べに行ってみよう。


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築地六丁目はお祭りだった。”築六秋祭りオータムフェスタ”の

横断幕が下がっている狭い十字路には、イカ焼きや、焼きそばの

屋台が並び、招待席のテーブルが並び、テーブルがないところには

青いシートが敷かれて町の人たちが地べたに座っている。

その先の十字路の真ん中では黄色いドレスを着た六人の女たちがゆったりと

フラダンスを踊っている。フラの音楽は青い空に高く響き、

子どもたちは走り回り、まるで村の祭りだ。

今夜の夕食は六丁目のかつ平で。

かつ平には、地元の河岸の人たちが祭りの後呑みに来ていて、

あまりにおもしろい話に耳が大きくなる。

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勝鬨橋の上で、今日は旅みたいな一日だったと夜の景色を眺める。

東京湾に出てゆく船、浅草や浅草橋に戻ってゆく船。どの船もどの船に

乗っている人もようやく夏がおさまった夜風に気持ちよさそうに

吹かれている。橋の真上から見えたのだけど、屋形船の船頭さんは、

船の上の最後尾に腰掛けて足先で舵を切っていました。ひょいひょいなんなく。

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淳さんのウツワを眺める。

今日のお昼ころ届いたのにもうずっとそこにあるような存在感だ。

ここがいいかもしれないと置いた所にすっと馴染んでくれたのだけど、

その時、ウツワが音楽を取りこんでいる(音楽が流れこんでいる、

のかもしれない)のが見えました。

そういうのはたぶん錯覚じゃなくてほんとうの事なんだと思う。

そして、そうそう同じことが見えるわけではないとも思う。

音楽は、ヴィヴァルディの調和の霊感。







昼ごはん

芝えびのチヂミ

キムチ焼きそば


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夕ごはん

かつ平で

キリンビール一本

鯵の南蛮漬け

焼き茄子

カツオのお刺身

ロースカツ定食

ヒレカツ定食

お腹はパンパン。


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by rika_okubo7 | 2014-08-31 15:17