リトアニアの麻布 11月8日記
リトアニアの麻布の上に置いたリンゴが寡黙な希望
のようにみえる。
リトアニアってどんなふうなんだろう。
二枚の麻布から一般的な家庭を想像する。
ペンキ掛けの木製のテーブルに椅子。きっと足には
控えめな装飾がほどこされている。壁の色はたぶん、
冷たい感じのクリーム色。壁には民族刺繍が額に入
れて飾られている。持ち物はそんなに多くなくてす
っきりとした部屋。
お食事は質素だけれど、ジャガイモやビーツシチュ
ーの湯気がほかほかと上がっている。湯気の幸せは
万国共通。
サワークリームたっぷりのロールキャベツに水餃子、
東欧の食べ物は包みものが多いような気がする。
男も女も口数すくなく、容貌は白い肌にハスキー犬
のようなブルーの瞳、うーんロシア人の顔になって
しまうなあ。
リトアニアの音楽も映画もなに一つ知らない。
なのに何故か懐かしいように思うのは、私が北の人
だからかもしれない。
たぶん、空気が似ている。
駅の近くのマルシェで買い物袋一杯にリンゴを持っ
て帰る。
陽光、とき、ジョナゴールド。
by rika_okubo7
| 2014-11-30 01:44