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お味噌汁の呪縛   12月13日記 

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築地の豆腐屋さんにゆく。これで三度目。

今日はどうだろう、と思いながら。

木綿豆腐二丁と油揚げ二枚下さいと注文すると”はい”と言って、

”木綿豆腐二丁”と小さな声とともにパックに豆腐を入れている。

そうそう、二丁です、と心のなかで何度も頷く。

油揚げは薄暗い別棟にあるようで、おじいさんは長靴をパカパ

カさせて移動してゆく、わたしも付いてゆく。

おじいさんは背丈より大きい巨大冷蔵庫に入り背伸びをして油

揚げを取り出している。

油揚げの入った油紙を握って帰ってきたおじいさんは、独り言

のように”おお・・ね”と言ったような気もするけれど、よくわ

からなかった。

二枚にしては袋が膨らんでたなあ、と勝どき橋の袂あたりで油

紙を開けると五枚入っている。

今日はどうしたって、二枚と言った。とても注意をして。

五と二は口の開け方だって全然違う。

勝どき橋の中くらいまで行ったとき母から電話。

油揚げが多く入っていた、と話すと母はそれには応えず”油揚げ

とキャベツのお味噌汁は胸がつかえて飲めないのよ”と言った。

続けて”玉ねぎをやわらかく煮たお味噌汁もダメ”と暗い。

新婚当時父に西洋野菜のみそ汁が飲めるか!とお膳とひっくり

返されたのがトラウマになっているらしい。

”おかーさん、無理にでも飲んで下さい。お父さんにかけられた

呪縛は自分で解かなきゃだめ。おいしいと思うまで飲んだら、

小さな扉が次々に開いて、失われた何かを奪回できるかもしれ

ない!”と熱く語る娘に母は”恨んだりしていないのよ”とほほほ

と朗らかに笑うのみ。

そういうことをバカにしちゃいけないんだよ、とカッカする。

帰ると燦々とさしこむ日差しのなかで掃除を始めているたくや

さんに、豆腐屋の油揚げ五枚と母のみそ汁と交差点で自分がど

こ立っているのかわからないご婦人たちに方向を示したことを

一気に話す。

”お正月におかあさんが来たら、お味噌汁を飲ませるの!”と鼻

をふくらませると、たくやさんもへらへらとして取り合ってく

れない。

上野公園はすっかり秋になって、寒い夕べだったけれど気持ち

よく歩いた。

ウフィッツィ美術館展をみにゆく。Cちゃんと。

Cちゃんは調子が悪そうだった。展示をゆっくり観て出て来ると

随分待っていた様子だった。

寒空を根津に向かう。

おいしい中華屋さんで辛い料理を食べ、Cちゃんのアトリエで熱

燗をごちそうになって、笑ったり、怒ったりするうちに、Cちゃ

んの気は上がったようだったし、わたしはわたしでぐいぐい上が

り、二人とも妙に元気になりました。感謝。

それにしても、根津商店街の手作り風のクリスマスのイルミネー

ションは、寒い夜空に映えて、とてもきれいではあるのだけれど、

人心を求めたくなる風情だったなあ。

そういえば、母のお味噌汁のこと。ワタシは馬鹿にしないとCち

ゃんは強い目で言い切ってくれた。

よおし、キャベツと油揚げのお味噌汁と、玉ねぎのお味噌汁をお

いしく作って母に食べさせよう。






昼ご飯

たくやさん レバー丼

これがなかなかおいしかった。

オリーヴオイルでレバーを炒め、赤ワインを入れ、蜂蜜を加え、しばらく煮る。

醤油を加え、煮汁が少なくなるまで煮詰める。

ごはんは、フライパンでバターを溶かし、ごはんを加え、醤油で香ばしく炒め上げる。

お葱は、万能葱の方よいと思う。

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わたし 給食カレー

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お夕飯

たくやさん 給食カレーを食べていることでしょう

      それと ポテトサラダ


わたしはCちゃんとおいしい中華屋さんで

水餃子 大根の漬物 長ネギの前菜のようなもの 厚揚げのピリ辛炒め 紹興酒

それから Cちゃんのアトリエで湯葉豆腐鍋や蛸のコンフィなどをごちそうになる。



by rika_okubo7 | 2014-12-27 09:23