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8月10日(月)記   

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歩いていこうよと言うとこの夏に?とおどろいた顔をする。け

れどもう夕方になったしだいじょうぶ。たぶんいやなんだろう

けれど、顔や背中に汗をかくのが。

勝どき橋を渡るとき、セロテープでぐるぐるに巻いて補修した

オペラグラスを右手に持って築地市場の船着き場を覗いていた

浮浪者を思い出す。左肘を欄干に掛けて橋に体をあずけてくつ

ろいで、川向こうの景色を覗きながらまっすぐ愉快に笑ってい

た。たしかに、じぶんの眼では見えないものが相が変わってと

つぜん手に取るように目の前に現れることは、純粋な喜びだ。

築地市場と勝手に決めつけたけれどほんとうは何を見ていたん

だろう。

数寄屋橋交差点にさしかかるころ、うすいシャツの布地を濡ら

している汗は背中一面にひろがった。わたしはその背中に遅れ

ないように懸命に歩く。


8月10日の皿





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by rika_okubo7 | 2015-08-12 16:53