8月16日(日)記 ゴーヤと揚羽と茶とら猫
咲いた。ゴーヤの雌花がふたつ。勢いのある雄花を摘む。花びら
を押しひろげて雄しべをむき出しにする。うすみどり色の雌しべ
に、オレンジ色の雄しべを、そっと押しつける。罪を犯している
気持ちをわずかに持つ。
山椒とルーに産みつけられた卵を探す。この夏、このベランダで
完全変態を果たした揚羽蝶はいない。卵から孵った形跡はあるけ
れど、死んだのか幼虫の姿を見ない。今年の夏の猛暑のせいかも
しれない。
夕方、路地の街に向かう。
Cちゃんのアトリエの手前で茶とらの猫がなにか一心にしている。
にゃあ、と声をかけると顔を上げる。蝉だ。半分は食べたようで、
一方の羽とかすれた体が残っている。
ピンポンを押すとCちゃんが扉を開いてくれた。ついてきた猫はび
くっと身をひいて、けれど中に入りたそうな素振りも見せる。
ひさしぶりにビールがおいしかった。今年の夏はさすがにバテて
胃の腑が冷たい物を受けつけなくなっていたのだ。
by rika_okubo7
| 2015-08-24 14:11