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9月9日(水)  お山に向かう

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ときどき強い雨が降る。台風も来ている。

すこしためらったけれど、友だちのお山の店に向かう。

今はもう修繕してしまったからそんなこともなくなったけれど

雨の日のお店は素敵だった。

店の半分を占めている温室の席の、コンクリートの壁が雨を吸

い込むと、雨色の濃淡が壁に広がって水墨画のようになる。そ

れに、壁に雨がしみ込んでいるせいか、物音も小さくきこえて、

水の壁に囲まれているようにひっそりとしている。

雨漏りもすばらしかった。

雨が降ってくると雨粒が落ちてくるあたりに、大きい器や小さ

い器が置かれる。器が雨粒を受けると”ピチ”とちいさな音をた

てる。あちこちで”ピチ”とはねている。

温室の一角の雨に濡れすぎているテーブル席には誰も座れなか

ったけれど、屋内にその光景があることが素晴らしかったし、

映画なら雨好きの変わり者がわざわざその席に座り大きな傘を

ひろげて珈琲をすするシーンになるだろう。

今だって雨の日のお店は素敵だけれど、昔はもっと素敵だった

という話。

駅にひでさんが迎えにきてくれていた。ハシビロコウのように

どこか一点を見て微動だにしない。バスのなかから手を降った

とき鼻を触って”反応”をしたから気がついたと思うのだけど、

知らない顔をしている。声をかけたら「おーっ」と驚いた顔を

した。

お山の店には変わらずゆっくりと時間が流れている。ひでさん

としげこさんが作った空気だ。お店の周りの樹木もよく繁って

秘密の基地の様相を濃くしている。

夕方までゆっくりして、夜はKさんとRちゃんが遊びに来てくれ

るそうだから、宴、宴。


9月9日の皿




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by rika_okubo7 | 2015-09-25 05:14