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9月13日記  ピラミッドの時間

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時間は左から右にゆっくりと流れてゆく。

ガラス張りの巨大なピラミッドの空間はがらんとして、ここにいる

人間はみんな小さく見える。

天上から下がっている垂れ幕のSt.Lukaという文字を何度でも読み

返す。若葉色の葉っぱと、緑と赤の線描きのデザインの意味を考え

る。

時間はときどきピラミッドの頂点のあたりで、いつまでも形を変え

ない雲のように留まっている。

時間は循環もしているのか右から左にもまた、ゆっくり流れてゆく。

サラダせんべいが入っていた薄い透明な袋を、遠くに見えるゴミ箱

に捨てにいく。ベンチに戻ってくると、食べ終えたサラダせんべい

のもう一つの袋が床に落ちていたので、ふたたびゴミ箱に向かう。

凪いだ大きな川に流れるような時間のなかを、羽ほどに軽い透明な

袋を手のひらにのせてゴミ箱に運ぶ行為はほとんど儀式だ。

いったん外に出て、夕方の月島に向かう。

一軒め酒場という安い居酒屋があるらしい。

日本酒170円、ビール380円、にごり酒250円。

テレビの前の大きなテーブルには一人で酒を飲んでいる男たちが座

っている。老女が店にやってきて窓際のテーブル席に座る。しばら

くするとまた老女がやってきて同じテーブルに着き「先に来てたの

よー」とさいしょの老女が話し始める。

どうやらここは地元の集会場のような酒場らしい。

大きなテーブル席がひときわ沸く。なんとかいう相撲取りが負けた

とか勝ったとか、そういうことらしい。

タカハシ氏の携帯電話が鳴る。St.Lukaに向かう。

Y子ちゃんは疲れていた。

けれどいつもどおりのやさしい笑顔。

お弁当をパクパク食べてくれる。

タカハシ氏とわたしはビールをごちそうになる。

Y子ちゃんは額に入った古い写真や、アルバムを見せてくれる。

幼いY子ちゃんは笑っている、弟のMさんも笑っている。

Mさんが子どもの頃に書いた絵はがきを声に出して読む。


9月13日記 




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by rika_okubo7 | 2015-10-07 16:48