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あそこ  11月4日記

ウォーキング兼買物に出かける。

かちどき橋のたもとで、腕時計で時間を確かめるたくやさんの

振る舞いを見た時、ほっぺたの横のあたりがぎゅっと痛くなっ

てつばが湧いた。

お昼近いので、どこかで何かを食べようと考えているんじゃな

いかな、と思って。

「つばがわいた」と言ってそのわけを話すと、たくやさんはが

っくりと首をうなだれてくくくと笑っている。続けて「でも今日

はもうお昼の支度をしてきてるから外食はしません」と断言する。

それなのに鳥藤の塩親子丼が頭のほとんどを占拠して、くちのな

かはつばでいっぱいになってくる。

八百屋で原木なめことからとり芋を求める。

「あそこの蕎麦屋に興味があってさ」やっぱりさっき時計を見

たのは昼のことを考えていたらしい。そして「あそこ」はきっ

とあのビルの地下一階だ。

北島商店にブラックペッパーを買いに行きたいけれど、今日も

築地は混雑していてなかなか前に進まない。

「日本語が聞こえないね」ほんと、確かに、中国語、韓国語、

英語、スペイン語、ロシア語。築地はもう完全に観光スポット

だ。

交差点で信号待ちをしていると、辻で柿を売っている露天商の

看板が風でひっくりかえった。

「かき7つ300円」の裏は「なし7つ500円」と書かれて

いた。

この露天商は、安い!と思わせておいて下さいなと近づくと、

目の前に山と積んだ大きな柿を三つか四つ袋に入れて500円

と言う。客が「え?」という顔をして「7つ300円」では?

と訊ねると「あっちのちっちゃいのは7つ300円」と後ろに

隠すように積まれた柿を指差すというあやしげな商売をしてい

る。まったく、と腹立たしくも思うけれど、こういう露天商の

あやしげな商いも昨今なくなってきたなあと天然記念物を見て

いる気持ちにもなる。

東銀座の岩手銀河プラザで、岩泉の牛乳2本、ふのり一袋、原

木干し椎茸一袋、ぜんまい二袋、つがるりんご二個を求める。

「あそこ」の蕎麦屋はやっぱり交差点のビルの地下の店だった。

たくやさん、牡蠣南蛮そば、私、天丼ともりのランチセット。


今夜も秋の虫は鳴いた。

今日はわりと大きな声で鳴いている。暖かいからかな。


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by rika_okubo7 | 2015-11-06 06:12